国鉄時代の出発合図について

 先日とりあえずモジュールの試運転でキハ52を走らせたついでに動画を撮影してみたのですが、ブザーの鳴らし方が違うことに気付きました。ということで今日は正しい「出発合図」についてお話していきたいと思います。

 現在のJRら私鉄はどうか分かりませんが、私がお話しするのは昭和50年代の国鉄ということでその頃のお話をしていこうと思います。

 今回話題とする車掌によるブザーですが、これは「出発合図」と呼ばれるものです。この出発合図を誰がするのかという話については運規台368条で

 ア ・ 電車列車および気動車列車以外の列車に対しては駅長(助役、運転主任などを含む、以下駅長と記す)


 イ ・ 電車列車および気動車列車に対しては車掌

と定められています。ですから気動車列車の場合は車掌がブザー長音一声で運転士に出発を知らさなければなりません。ですから模型で再現する場合は

 戸閉→出発合図のブザー長音一声→機関士によるタイフォン(適度汽笛:「ファ~ン」位)→力行

という流れになります。

 ついでに電車列車についても話しておきましょう。電車列車の場合は運規367条で知らせ灯の点灯で良い事になっていますのでブザーは不要です。乗降ドアが全部閉まると運転席の知らせ灯が点灯しますので、その点灯をもって出発して良いことになっています。ですから流れとしてはこうなります。

 戸閉→知らせ灯点灯(音声は無し)→運転士によるタイフォン(適度汽笛:「ファ~ン」位)→力行

 また運行頻度が高い国電区間などは出発時のタイフォンを省略して良いことになっていますので通勤電車の場合こうなります。

 戸閉→知らせ灯点灯(音声は無し)→力行

 次に電車、気動車以外は駅長が出発合図を行いますが、一般的には片腕を高く上げることで出発合図を行います。流れとしてはこうなります。

 出発信号機「進行(停止以外)」→駅長が片腕をあげる(音声は無し)→機関士による汽笛(適度汽笛:「ピーッ」位)→力行

 また機関士から合図を送る駅長が見にくい場合には、出発合図気による出発合図も可能となっていました。出発合図器とは機関士の見やすい場所に設置されたブザー、白色灯でこれが鳴動、点灯したら汽笛を吹鳴して出発します。

 また固定編成の客車列車や50系などは電車の様に一括でドア閉め等が行えましたが、客車列車である以上出発合図は駅長によるものでした。ただ出発信号機のない停留所などでは車掌が無線で行うお馴染みの出発合図(※1)が行われておりましたし、国鉄末期になるに従って合理化で駅長の出発合図ではなく車掌による出発合図が増えていきました。

(※1)『1列車車掌機関士さんどうぞ、1列車機関士ですどうぞ、1列車発車!』みたいなやりとりです。


郷愁 国鉄の時代