キハ11 25(鉄道博物館)
本日は鉄道博物館でキハ11 25を見て来たこともあり、キハ11を含む10系気動車について話をしていきたいと思います。
ちなみにこの車両は国鉄からひたちなか海浜鉄道の前身である茨城交通湊線に譲渡された車両で、キハ112を名乗っていました。しかし鉄道博物館では国鉄時代の真岡線で活躍していた頃のキハ11 25に改められ展示されています。
鉄道博物館オープン当初は動態保存ということでエンジンを動かしていたようですが、2017年以降は実質静態保存になっている様です。2020年にも訪れていますが、その時より退色も激しく、記録するなら1日でも早くの方が良さそうです。
このキハ10系は量産では初の液体変速機を用いた形式になります。館内に展示されているキハ41300形気動車では自動車の様にギアミッションを用いていましたので、総括制御が不可能でした。
しかしこのキハ10系ではトルクコンバータ(液体変速機)を用いましたので、総括制御や分割併合も自由自在に出来、非電化区間の近代化に大変貢献した車両です。
ところでイラストにしてしまうとキハ20系と同じ様なデザインに見えてしまいますが、キハ10系は一回り小さな車体寸法になっています。写真は鉄道模型ですが、比べてみると車体断面の違いが理解できるかと思います。
当時のDMH17エンジン一機では非力でとにかく軽量化しなければならないということで、車体は小さく、そして室内は簡素なものでした。
その後軽量化技術の進歩やエンジンの性能向上(多少)でキハ20系の様に当時の電車、客車に準ずる大きさになりました。
横から見てもやはり20系気動車(左)の方が10系気動車(右)より大きいです。
なおこの10系気動車は鉄道模型でもN、HO共に模型化されています。Nゲージでは亜種の南部縦貫鉄道のものまで模型化されており羨ましい限りです。
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トミーテック(TOMYTEC) TOMIX Nゲージ 南部縦貫鉄道 キハ10形 (キハ104) 8611
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キハ11は両運転台ですが、エンジンが付いている(動台車がある)こちらが1位側となります。
そして3位側です。退色に加えて色の流れもあり、だいぶくたびれている印象です。しかし実際南館の新幹線先頭車の方がお客さんは多く、ここで数十分居ても誰も来ませんでしたからやはり優先順位は下がってしまうのかもしれません。
特徴的なバス窓と「水モウ」の表記。先程も書きましたが、国鉄時代は真岡線で活躍していた車両なので、水戸鉄道管理局の水戸機関区真岡支区所属でした。真岡線もまた現在は真岡鉄道に変わっています。
不随台車TR49もまた軽量化の為ギリギリの薄さで簡略化されていたものを使用していました。当時の技術では何とか走らせた液体変速機気動車というところだったのでしょう。ちなみに動力台車はDT19となります。
このキハ10系は間違いなく国鉄~JR途中までの液体変速式の気動車にとって「技術の礎」的存在の気動車でしたが、最近の電気式はまた発想が全く別のものになります。
電気式というのは実はこの液体式が出来る前に試作的に国鉄が作ったものの、当時の技術では実用に至らず液体式が採用されたいきさつがあります。
そんな歴史を知っった上で液体式の旧型気動車をGV-E400系電気式気動車が追いやっているのを見ると、技術の進歩を感じずにはいられません。
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