「八甲田丸を守る会」について

 昭和63年3月の青函連絡船最終便を務めた八甲田丸は現在青森港に係留され、青函連絡船の歴史を後世に伝える展示施設として第二の人生を送っています。しかし厳しい自然条件の中で8000トン級の船を海に浮かべて保存するのには莫大な費用がかかるのも事実です。

 そこで平成18年7月に青森商工会議所内に「八甲田丸を守る会」が発足し、船の所有者である青森市を支援していく活動が行われています。

 個人でしたら一口1020円/年から会員になれます。そして会員になると八甲田丸の有料展示コーナーが1年間無料になります。入場料が510円ですから一年に2回以上行って支援するという手もアリなのかもしれませんが、会員になるとやはり自分の船という愛着も湧きますのでオススメです。勿論予算に応じて2口以上申し込むことも可能です。

■ 車両航送設備が見られる唯一の保存船

 青函連絡船は鉄道連絡船でしたので、鉄道車両をそのままレールを敷いた船腹に格納して輸送していました。ワム型の二軸貨車なら一度に48両が輸送出来ます。この様な車両航送は戦後ではここ青函と四国の宇高だけでしたが、現在車両甲板を見ることが出来るのはここ八甲田丸だけです。

 また船尾には陸と船を結ぶ可動橋なども残っていますので、おぼろげながら青函トンネル開通以前の車両航送の姿を知ることが出来る大変貴重なスポットです。

 日本各地に保存船があり、操舵室や機関室、居室などを見学出来る船は他にもありますが、鉄道車両を輸送する設備が見られるのは現在ここだけになってしまいました。

■ 他にも見所は色々

 勿論保存船と言えば一番人気の操舵室も見学可能です。計器の扱い方が分かれば面白さも倍増すると思いますので、近いうちに三等航海士の職務に密着した様なコンテンツを作りたいと思いますので、少し長い目でご期待頂ければと思います。

 当時最新鋭の技術を盛り込んだディーゼルエンジンなどが残る機関室も見学出来ます。函館の摩周丸は船楼甲板より上しか見られませんので、この機関室が見られるのも八甲田丸が唯一になります。

■ 守る会に興味を持ったのでもう少し知りたい

 もし「八甲田丸を守る会」に興味を持って頂けたなら大変有り難い話です。八甲田丸公式ページの『「八甲田丸」って?』のページ下側に「八甲田丸を守る会」の連絡先が書かれています。連絡をして住所氏名を教えると振込用紙を送ってくれますのでお好きな口数送金すれば完了です。後日会員証や案内書を送ってくれます。

 また「支援する程の愛着は無いけど一度行ってみたい!」という方もいらっしゃるでしょう。それはそれでアリだと思いますので、是非青森を訪れた際は見てみて下さい。見学時間は1時間位で大丈夫だと思いますが、先日私が訪れた時は2時間位居ましたので人それぞれです。

 少なくとも510円で見られるコンテンツとしてはお値段以上だと思います。冬以外でしたら最上段の公開甲板へも立入出来ますので、青森の景色を楽しむことも出来ます。

・ 青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸公式ページ

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