キハ81-3(交通科学館:大阪)
先日キハ81の各装備の時代考証などを行いましたが、本日はまだ大阪の交通科学館時代のキハ81-3の写真をお届けしたいと思います。こちらは2009年1月に撮影したものです。
撮りやすい2位側からの写真です。タブレットキャッチャーが欠品していますが、一度解体が始まった車輌を急遽保存するということで、色々な所の部品が変わっていたり、ヘッドマークもオリジナル状態ではありません。
ここに展示されているのは公式的には「キハ81-3」となっていますが、実は「キハ81-5」ではないかという話は有名な話です。理由の一つに連結器部分のスカートの切り欠き形状ですが、3号なら現役時代の写真を見ると向かって左側も右側同様下側が斜めに切ってありました。
タイフォンカバーも3号はもう少し上に付いており赤帯との間に隙間がありました。先程も解体が始まった車輌を保存と書きましたが、そうしたゴタゴタの中でこのミステリーは生まれてしまったようです。
僅か6両しか生産されてなかった車輌ですが、細部は色々と異なります。
1位側は壁がありあまり写せませんが、タブレットキャッチャーが付いているのが分かります。「はつかり」末期に一度撤去されましたが、紀勢本線配置時に再び装着されました。
国鉄特急の証JNRマークです。
もう一度少し引いて2位側から撮影します。後ろ側からや床下も撮影しておけば良かったと思いますが、当時はそこまで執着心も無かった普通の人だったのだと思います。
ところで上部中央の二灯は前照灯ですが、左右の灯火についてご存じない方も解説しておきたいと思います。これは「交互点滅灯」と呼ばれ非常時に点滅して車輌前後に知らせるものでした。自動車のハザードランプのようなものでしょう。CG&GIFで再現してみましたが、画像の様に約1秒ごとに点滅していた様です。
列車防護を発煙筒や信号雷管など物理的なものに頼っていた時代はそれを補完する目的がありましたが、防護無線などが発達して廃止されました。国鉄ではキハ82、キハ181までは装備されていましたが、昭和54年に登場したキハ183には装備されていません。
またこの記事を書く為に色々調べていたら国鉄型電気機関車の中に尾灯を利用して「交互点滅灯」の働きをさせる回路がある様です。
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