伊太祈曽駅

 小規模HOレイアウトの駅を作るのに参考になる駅と言えばおのずと小型駅になると思います。和歌山電鐵貴志川線の伊太祈曽駅なども参考になりそうなので撮影してきました。パッと見どこにでもある小駅ですが、模型化のヒントも数多くあるように思います。

 駅舎正面軒の上にある「伊太祈曽駅」はお約束ですが、ポストやゴミ箱といった小物も雰囲気を盛り上げています。また最近は利用者の利便性向上の為レンタサイクルなどを用意している駅も多く感じます。右側に「レンタサイクル」のPOPがありますが、比較的新しい駅をイメージするならこんな小物も良いかもしれません。

 駅舎の裏側。構内踏切を渡ってホームへと向かいます。軌道と通路の境界には柵が設けられています。右側の詰め所に掲げられた緑十字の労働安全の旗などもリアルさをアップするポイントかもしれません。

 駅舎内。時刻表、時計、告知張り紙などで意外と賑やかな印象です。既製の駅舎をただ置くだけでなく中を作り込むとよりリアルになりそうな感じです。

 ところで我々モデラーは軌道に12Vを流し込むフィーダーや信号電源をどう目立たせなくさせるかに苦心していますが、現実は逆に目立たせている例もあります。こうしたケーブル類は黒一色だと思いますが、わざわざ黄色でペイントして目立たせています。作業安全の為かメンテナンスの為と想像できますが、隠す必要は無いようですw。

 こちらのケーブルも黄色にカラーリングされ目立つようになっています。

 そしてスプリングポイントの矢羽根部分。ここはこれまであまり意識したことが無かったのですが、矢羽根上の灯火への配線も太く目立っています。逆にこうした矢羽根は模型のスマートな形状しか記憶が無いのでこれで良いのかい?という感じですw。

 これらは一例ですが、模型では美しく仕上げることに我々は努力しているのですが、現実にはメンテナンスの為に剥き出しのものも結構あるのかもしれません。やはり実物を見ると参考になります。

 駅構内の写真。ホーム有効長の所にポイントがあり、国鉄の幹線で働いていた私的には少し違和感があるのですが、限られたスペースで電車区へ分岐するにはこうするしかないし、運行頻度を考えるとこれで問題ないのだと思います。

 「ホーム中央から分岐して良いんだ!」となるだけでレイアウトプランに自由度が飛躍的に増すと思います。しかし写真ではこう見えても現実のポイントは角度が緩いですから、鉄道模型用の4番ポイントなどを使用すると曲線側へ行く際、車両の端部がホームと接触する可能性はあります。

 先程のケーブルだけでなく脱線防止のガイドレール端も黄色くペイントされています。やはり安全の為の警戒塗装なのでしょうか。

 和歌山方の出発信号機は二灯式、どちらのホームからも出発できるようになっています。

 駅舎横にある詰所前で見たブレーキ管コックの展示。本社設備もありますので多分社員検修に使うものだと思いますが、こんなものも再現してみたくなります。

 駅構内には至る所にだるま転轍機があります。

 プラットフォームの雰囲気。木製の屋根付きです。

 下部を見るとホームが延長されたのが分かります。

 屋根の裏側、駅名板と下側の広告。

 隣接する電車区はこんな雰囲気です。

 記憶の中に残っている情景で模型化すると時としてそれらしいけど少し違う感じのするものが出来てしまいますので、なるべく実物を参考にしたいというのが私の気持ちです。これからも参考になりそうな駅や駅設備を色々と撮影していますので紹介していきたいと思いますので宜しくお願い致します。

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